先日、教室に通っているある小学生の方からご質問がありましたので、お答えしておきます。
(質問)
1+1はどうして2になるのか。
(答え)
この等式「1+1=2」の記号論理学に基づく厳密な証明は、ラッセルとホワイトヘッドが著した
『プリンピキア・マセマティカ(数学原論)』
(全3巻、1910~1930にかけて出版)
という書物の第1巻の362ページに書かれています。
この本はたいへん難解なことで有名で、記号論理学に基づいて数学のすべての結果を厳密に証明しようというたいへん意欲的な目論見のもとで書き始められました。
ところが、だれでも知っている「1+1=2」の証明にたどり着くまでに優に362ページを費やしてしまいました。
第3巻までで算術に関する数学の基礎を証明し、第4巻は幾何学について厳密な基礎を与える予定でしたが、著者たちは第3巻を書き終えた段階で「もう情熱を失った」と告白して、執筆の続行を断念したということです。