小学校5-6年生クラス

5月4日の小学校5-6年生クラスは、正5角形、正10角形、正9角形の作図をしました。今月はいろいろな正多角形の作図をします。

ところで、数学的な「作図」にはルールがあります。それは、定規とコンパス以外の道具を使ってはいけないということと、定規は与えられた2点を結ぶ直線を引くためだけに使い、コンパスは与えられた点を中心として与えられた長さを半径とする円を描くことだけに使わなければならないということです。ただし、直線をどちらかまたは両方の方向に延長することは、いつでも可能とします。ですから、分度器や物差しを使うのは本当の作図ではないのです。(定規には本当は目盛りがありません。定規に目盛りがついているものは物差しといいます。)

はじめに、小手調べとして、正三角形を描きました。正三角形の作図は、だれでも思いつく簡単な作図ですが、これを応用して、2点の中点を求めたり、2点を結ぶ線分の垂直2等分線を引くことが簡単にできます。このとき、同時に直角が作れることも分かりますね。また、二等辺三角形を2つ作るとひし形ができますが、それによって、角の2等分もできることがわかるでしょう。これらは作図の基本ですね。

さて、正5角形については、トレミーによると言われる作図法が昔から使われています。トレミーはエジプトのアレキサンドリアで活躍した古代ローマの天文学者です。この方法を利用すると、正10角形も簡単に描くことができます。ヨーロッパの大工や石工などの職人は正6角形の作図を利用して正9角形を描くとても巧みな方法を知っていました。ルネサンス初期のドイツの画家デューラーは1525年に出した本『測定法教本』の中でその方法を紹介しています。

コンパスを使うときは、中心の針がずれないように注意することが大切です。今日はみんなとても美しい図形が描けました。少し正確に描こうとするだけで、とても精密な図ができるのですね。

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