4月12日の小学校3-4年生クラスでは、先週に続いて「一筆書き」の授業をしました。
初めに先生がテーブルの真ん中に一枚の航空写真(グーグルマップからとったもの)を置き、
「これはどこだろう?」
と言いました。よく見ると大きな町の写真でたくさんの川が流れています。どの川にもプレゴリャ川と書かれています。この川は、北欧のバルト海に流れ込む川で、かつてプレーゲル川と呼ばれていました。プレゴリャはプレーゲルというドイツ語の川の名前をロシア語風に改名したものです。
話は、18世紀の初め頃にさかのぼります。その当時、まだ川がプレーゲル川と呼ばれていたころ、この町はプロイセン王国の東部地域である「東プロイセン」の首都で、ケーニヒスベルクと呼ばれていました。ドイツ語でケーニッヒは王様、ベルクは町ですから、ケーニヒスベルクは王様の町という意味ですね。
当時、プレーゲル川には現在と違って七つの橋が架けられていました。あるとき町の人たちの間で次のような問題が話題になりました。
「7つの橋をすべての渡る一周ツアーは企画できるだろうか。ただし、どこから出発してもよいが、同じ橋を2度渡ってはいけない。」
ここまで話すと、みんなは当時の町の地図を手元の紙に書き写して解き始めました。
「できた。こうすればいい」
「違うよ、同じ橋を2度渡っているぞ」
「こうやって、ぐるっと遠回りすればできるよ」
「それは反則だよ。地図にある橋しか渡ってはいけないんだ」
しばらくすると、
「先生は答えを知っているの?」
という声が上がりました。
1736年、すでに有名な数学者となっていたオイラーは、この問題を聞かれると、一筆書きの問題に置き換えることによって、「そのような一周ツアーは不可能である」ことを証明して見せました。
現在、ケーニヒスベルクはロシア連邦の領土となっていて、町の名前もカリーニングラードと改められています。しかし、グーグルマップで見ると、町の真ん中にある大聖堂はいまでもケーニヒスベルク大聖堂と呼ばれているようですね。
このあとは、たくさんの一筆書きの問題を色とりどりのクレヨンでカードに描いてお互いに出し合いました。そして、一筆で描けるグラフと描けないグラフに分類して、その特徴や見分け方を調べました。
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