4月27日の小学校5-6年生クラスは、前回に続いて、ペンタ星の算数をやりました。これまで足し算、かけ算をやり、応用として方程式を解いてみました。ペンタ星の算数では、2 + 2 + 2 + 2 + 2 のように、同じ数をどんどん足していくと、どんな数も5つ足したときにはじめてゼロになるのでした(ただし、ゼロ自身は例外です)。では、かけ算ではどうなるのでしょうか。このことを調べる過程で、前回出てきた「ペンタ星の不思議な円」の成り立ちの秘密も解き明かすことができました。
同じ数どうしをどんどん掛け合わせることを累乗といいます。たとえば、
2 × 2 は 2 の 2 乗、
2 × 2 × 2 は 2 の 3 乗
という具合です。1 から 4 までの数をどんどん累乗してみると面白いことに気づきます。まず、1 は
1 × 1 = 1
1 × 1 × 1 = 1
のように何個掛け合わせても 1 です。では、2 はどうなるかというと、
2 = 2
2 × 2 = 4
2 × 2 × 2 = 3
2 × 2 × 2 × 2 = 1
のように 4 つ掛けたときにはじめて 1 になります。ほかの数でもやってみると、ゼロ以外の数の 4 乗は必ず 1 になること、4 乗して初めて 1 になる数と、4 乗する前に 1 になってしまう数があることがわかりました。また、0 を含めて、どの数も 5 乗すると元の数に戻ります。これは、ペンタ星の算数ならではの面白い性質です。
さて、ペンタ星の算数は今回でおしまいです。みなさんはここまで読んできて、ペンタ星なんて本当にあるのかなぁとか、そんな遠く離れた星の算数なんて、直接にはわたしたちの生活に何の関係もないやと思った人もいるかもしれません。
現代の社会は、携帯電話やインターネットなどの大量で高速の情報通信技術に支えられています。この技術の根幹をつくっているのは暗号化の技術です。情報を暗号化したり、伝達されてきた暗号を復元したりする技術では、ペンタ星の算数が使われているのです。最後に書いた「ペンタ星の算数では、どんな数も 5 乗すると元に戻る」という法則は、暗号化された通信の内容を解読するための基本的な原理として使われています。みなさんも、将来どこかで、ペンタ星の算数をより深く探求することになるかもしれませんね。
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