対数関数

今日の高校生クラスでは、対数関数について勉強しました。

対数関数は、指数関数の逆関数ですが、それによって、指数関数の指数法則から、対数関数は正の数どうしの積を数どうしの和に還元します。数の和(加法)と積(乗法)は数の計算の中で基本的なものです。この2つの演算を互いに翻訳するものが対数関数(そして、指数関数)なので、重要であることは明らかです。

対数は英語でlogarithm(ロガリズム)といいますが、これはギリシャ語で論理、言葉、関係を意味するlogos(ロゴス)と数、算術を意味するarithmosを合成したことばなので、「数の間に成り立つ関係」という意味になります。

ある数(たとえば、2)のベキを負のベキも含めて計算した表を作ると

…, -3, -2, -1, 0, 1, 2, 3, 4, 5, 6, 7, 8, …
…, 1/8, 1/4, 1/2, 1, 2, 4, 8, 16, 32, 64, 128, 256, …

のようになります(上の表は列が揃っていません)。この表から、たとえば8×32を計算したいとき、8の上に書かれている数3と32の上に書かれている数5を足して、3+5=8を得、次に8の下の書かれている数を見ると、そこに答え256があることがわかります。このような表を完全にしたもの(間に入る数を埋めたもの)が「対数表」です。対数表を最初に計算したのは、ジョン・ネイピア(スコットランド)、ヘンリー・ブリッグズ(イングランド)、ユースト・ビュルギ(スイス)です。

簡単な対数表は高校生でも作ることができます。たとえば、log(10) 2 を計算したいとしましょう。括弧の中の数字10は底を示すとします。2を何回も掛けていくと、10乗したとき1024となることがわかります。これは1000よりわずかに大きい数です。つまり、2^10 = 10^3と見做す(近似する)ことができ、これから、10 log 2 = 3 log 10 です。よって、log 2 = 0.3 log 10 となり、底が10であれば log 10 = 1 なので、log 2 = 0.3 + α だということになります。教科書の末尾に載っている対数表では、log 2 = 0.3010となっていますね。

ブリッグズが行った計算はこれよりも大がかりなもので、まず10の平方根を次々と計算していきました。

10^(1/2) = √10 = 3.1622,77660,16837,93319,98893,54
10^(1/4) = √√10 = 1.7782,79410,03891,28011,97304,13

こんな調子で 10 の 1/(2^54) 乗まで計算すると

10^(1/(2^54)) = √√…√10 = 1.0000,00000,00000,01278,19149,32003,235

となります。(この項続く)